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過活動膀胱

過活動膀胱とは

過活動膀胱とは過活動膀胱とは、尿意切迫感があり、頻尿および/または夜間頻尿を伴う症状症候群とされています。そして、過活動膀胱では、突然起こる我慢できないような強い尿意である尿意切迫感、日中に何回もトイレに行く頻尿、尿意のために睡眠が中断される夜間頻尿、我慢ができずに尿がもれてしまう切迫性尿失禁などの症状がみられます。

2003年の報告では40歳以上の日本人の8人に1人が過活動膀胱の症状を持つといわれ、患者数は1,000万人を超えると推定されていました。
過活動膀胱の原因はしっかりとは解明されてはいませんが、加齢、肥満、メタボリック症候群、高血圧など、さまざまな病気が関係していると考えられています。

主な治療法は、生活指導・膀胱訓練・理学療法などの行動療法から始め、薬物療法、
また、それらの治療で効果が不十分な場合には膀胱の筋層内へのボツリヌス毒素の直接注入療法・刺激療法などが検討されることもあります。
ボツリヌス毒素の直接注入療法なども当院で行っておりますので、症状のある方・気になる方はお気軽にご相談ください。

過活動膀胱の症状

過活動膀胱の症状

  • 突然我慢できないほどの尿意切迫感に襲われる
  • 慌ててトイレに駆け込むことがある
  • 膀胱の充満感を、以前よりもより早期から、もしくはより強く、または持続的に感じる
  • 排尿後、またすぐにトイレに行きたくなる
  • 頻繁に尿意を催すため映画などが楽しめない
  • トイレへの不安感から外出できない/外出したくない
  • トイレに間に合わず尿失禁/尿漏れしてしまう
  • 閉経関連尿路生殖器症侯群(GSM)

過活動膀胱の原因

過活動膀胱症状ならびに排尿筋過活動の発症メカニズムについては、いまだ十分には解明されていませんが、明らかに神経の病気が原因と考えられる

  • 神経因性(脳疾患:脳血管障害<脳出血・脳梗塞>、パーキンソン病、脳腫瘍 など。
  • 脊髄疾患:脊髄損傷、多発性硬化症、脊椎変性疾患<変形性脊椎症・椎間板ヘルニア>など。
  • 馬尾・末梢神経疾患:腰部脊柱管狭窄症、糖尿病性末梢神経障害 など)

とそれ以外の非神経因性の2つに大別されます。
ただ、実際には原因が同定できない過活動膀胱が大半を占めています。

上記の神経因性には

  • 脳疾患:脳血管障害(脳出血・脳梗塞)、パーキンソン病、脳腫瘍 など。
  • 脊髄疾患:脊髄損傷、多発性硬化症、脊椎変性疾患(変形性脊椎症・椎間板ヘルニア) など。
  • 馬尾・末梢神経疾患:腰部脊柱管狭窄症、糖尿病性末梢神経障害 など があります。

また、非神経因性には、

  • 生活習慣の乱れや関連する異常(高血圧、代謝異常)に伴う血管内皮機能障害
  • 加齢
  • 自律神経系の亢進
  • 全身
  • 局所の炎症

などがあります。
そして、女性特有の過活動膀胱の発症のメカニズムとして、

  • 女性ホルモン(酸化ストレス<Oxidative Stress>、閉経関連尿路生殖器症候群<GSM>など)との関連
  • 骨盤臓器脱(POP) 

などが挙げられます。
そして、男性における過活動膀胱の発症メカニズムとして、

  • 膀胱出口部閉塞(前立腺肥大症によるものなど)

などが挙げられます。

過活動膀胱の診断

過活動膀胱の診断には以下のようなチェックを行います。

自覚症状の問診

問診過活動膀胱の症状である尿意切迫感、昼間・夜間頻尿、切迫性尿失禁などについて問診を行います。
特に重要になるのは尿意切迫感の有無であり、「急に起こる、強い尿意で、我慢が難しいもの」などと表現されます。

病歴などの問診

一般的な疾患に関する病歴や、膀胱の機能に影響を及ぼす可能性のある脳血管障害、パーキンソン病、神経疾患、糖尿病、婦人科的手術や骨盤内手術、放射線治療などの既往、また、反復する尿路感染、肉眼的血尿、便失禁・便秘、服薬歴などを問診します。

症状質問票

過活動膀 胱症状スコア(OABSS)、国際前立腺症状スコア(IPSS)、主要下部尿路症状スコア(CLSS)などを行います。

尿検査

尿検査を実施して尿潜血や尿の汚れの有無を調べます。尿潜血を認めた場合は、出血の原因や出血を起こしている箇所を特定するため、より精密な検査へと進みます。
また、尿潜血を認めた上に頻尿症状が見られる場合には膀胱がんの可能性も考慮し、膀胱鏡検査などを実施することもあります。

超音波検査

過活動膀胱の原因が尿路結石や膀胱腫瘍などである可能性も考慮し、膀胱超音波検査によって膀胱や腎臓の状態を確認します。
また、男性の場合には前立腺などの状態を確認するためにも行います。女性の場合では、骨盤臓器脱(POP)などを確認する際にも行います。

排尿日誌

詳細を把握するため、排尿日誌を記録していただきます。具体的には、排尿の回数・量、水分摂取量、夜間尿の回数・量、切迫感、漏れなどを記録していただき、過活動膀胱の原因や適切な治療方法を探ります。

診察

身体所見、尿検査、超音波検査、残尿測定、尿流測定、台上診(女性)、直腸診(男性)、尿細菌検査、 血液検査、膀胱鏡検査、尿細胞診、認知症スクリーニング検査などを必要に応じて行います。ただし、下半身の診察は必要性があると判断した場合にのみ行います。

過活動膀胱の治療

生活習慣

減量

体重増加・body mass index(BMI)と尿失禁との関係については多数の報告があります。

運動療法

内臓脂肪を減らす運動プログラムによって過活動膀胱が改善する可能性があるという報告があります。

カフェイン・アルコール・
食事指導

カフェイン、アルコール、過活動膀胱は関係することが知られています。
また、低脂肪食や果物、野菜、穀物を摂ることにより切迫性尿失禁の回数、夜間尿失禁を改善させる可能性があることが知られています。

飲水指導

水分の摂りすぎは過活動膀胱を促進し、頻尿や急激な尿意切迫感を引き起こすリスクを高めます。そのため、排尿日誌を使用して日々の水分摂取量などを確認し、過剰な水分摂取が見られる場合には適切な水分摂取量に調整して症状の改善を図ります。

禁煙

喫煙する人は、過活動膀胱や尿漏れのリスクが高まり、禁煙することで改善する可能性があるとされています。

膀胱訓練・計画療法

膀胱訓練は、尿を我慢させることにより症状を改善させる、などの方法です。
膀胱訓練は薬剤とほぼ同等の効果があったとの報告もあります。
ただし、実施するには注意も必要であり、事前に担当医と相談して検討するようにしましょう。

骨盤底筋訓練などの理学療法

骨盤底筋訓練とは、骨盤底筋群を鍛錬するためのトレーニング法です。体への負担がほぼないことから腹圧性尿失禁治療の第一選択と考えられていますが、過活動膀胱や混合性尿失禁にも有効であるとされています。

薬物療法

過活動膀胱において、薬物療法はその治療の根幹をなすものです。主に、β3アドレナリン受容体作動薬(β3 受容体作動薬)や抗コリン薬を使用します。また、難治性過活動膀胱に対する薬物療法としては ボツリヌス毒素の膀胱壁内注入療法が行われます。ボツリヌス毒素の直接注入療法なども当院で行っておりますので、症状のある方・気になる方はお気軽にご相談ください。

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